改善事例(工場編)~3S活動(5S活動)のメリットを知る~

改善事例(工場編)~3S活動(5S活動)のメリットを知る~

整理・整頓・清掃は仕事の基本です
誰もがそれをよく理解しています

しかししっかり取り組めない職場が
多くあるのはどういったところに
原因があるのだと思いますか?

今回はある工場に3S活動(5S活動)を
導入した改善事例を紹介しながら
活動そのものから得られるメリットと
大切にすべきポイントをお話します

ぜひ読み終えるまでの3分程度で
この活動の本質を掴んでくださいませ

 

目次

ある工場の3S活動(5S活動)改善事例

すでに3S活動を取り組んでいた会社の
社長の紹介によって訪問してみた工場

従業員規模が40名程度の
金属プレス加工の会社でした

年商は20億円規模

見学させていただいた時の状態は
さすがにゴミこそ落ちていないものの
床はキズだらけで塗装は剥げ放題
設備は油とホコリで汚れていて
従業員の作業服も油まみれでした

これまでは大企業である主要取引先を
退職されたエンジニアが講師を努めて
毎月の勉強会が行われているらしく
高齢により代わりの講師を探している
とのことで、迷わず5S活動研修を
提案したのがはじまりでした

そこで提案したのが以下のサイクルを
半年で回していく活動でした

【3S活動(5S活動)の6つの研修内容】
1ヶ月目:3S活動の重要性
2ヶ月目:整理活動の進め方
3ヶ月目:整頓活動の進め方
4ヶ月目:清掃活動の進め方
5ヶ月目:清潔と習慣について
6ヶ月目:活動実績報告会

上記のカリキュラムで研修を実施し
3Sレベルが急激に上がった改善事例を
紹介していきたいと思います

 

1ヶ月目:3S活動の重要性

まずはなぜ3S活動が重要なのかを
ご理解いただくことからはじめました

事業とはどういったものなのか?を
簡単に説明したうえで
事業が競争環境の中にあることを解説

ライバル企業に勝つ必要があり
なおかつ、彼らも努力していることを
しっかりとお伝えしました

そのうえで整理・整頓・清掃という
仕事の基礎中の基礎、つまり
当たり前のことをしっかり取り組む
そんな組織へと成長を遂げるため
皆さまの一人ひとりの積極的な
協力が必要だと訴えかけたのです

 

そうなんです

 

この3S活動は全員の活動の総和です
でなければ清潔な職場にはなりません

だからこそ指示・命令ではなく
自らの意志で選択していただくよう
研修を通じて『説得』をしたわけです

そのうえでその活動を進めるための
推進組織を考えていただくことを
最初の宿題としました

その組織には総リーダーはもちろん
整理担当、整頓担当、清掃担当の
責任者を置いて、工場全員を
その推進メンバーに入れることを
条件としました

 

2ヶ月目:整理活動の進め方

最初に前回の振り返りと検討した
推進組織の発表と総リーダーおよび
各責任者から豊富をコメントいただき
他メンバーからお願いしますの拍手を
浴びていただきます

そのうえで整理活動は何のために
行わなければならないのか?
どんな効果を狙うのか?を
自らディスカッションで考えて
それぞれのテーブルで発表いただく

そのことにより自ら動機を生み出し
そのうえで整理活動の具体的な方法
『赤札作戦』について解説します

そしてその整理活動について
5W1Hで実行案を検討していただき
次回の研修で発表するための
報告書提出を宿題としました

 

3ヶ月目:整頓活動の進め方

今回も最初に前回までの振り返りと
整理活動の報告書を移しながら
整理責任者にどういう考えで
何をおこなったか説明を頂きました

この発表を毎回取り入れることにより
参加者の前で恥をかかないよう
しっかりと取り組む後押しとなります

そして整理と同様に、整頓に
なぜ取り組む必要があるのか?
どんなメリットがあるか?
それぞれテーブルに分かれて
ディスカッションして発表します

そうした動機づけのうえで
整頓の進め方を伝えます

そのうえで実際にどうやって進めるか
5W1Hの企画書を考えていただき
その報告書の提出をまた宿題として
提示します

 

4ヶ月目:清掃活動の進め方

もうおわかりでしょうか?

振り返りの後に整頓の成果の報告
そして清掃活動の議論で動機づけ

清掃活動の進め方を提示したあと
どのような体制で清掃をするのか?
今回は清掃宣言という宣言書を
例題を真似ながらチーム毎に作成
発表いただきました

そして清掃宣言を職場に貼付けた画像
さらに清掃の報告書を宿題にしました

 

5ヶ月目:清潔と習慣について

今回も振り返りと清掃の報告

今回は清潔と習慣の概念をお伝えして
それぞれ取り組める工夫について
ディスカッションして発表

整理・整頓・清掃を実施する時に
守るべきルールをまとめて
職場に貼り出した写真の提出、および
次回の報告資料作成を宿題にしました

 

6ヶ月目:活動実績報告会

そしてそれぞれのチームが
活動実績を報告してそれぞれに対し
職長からコメントをいただきます

すべての活動報告が終了したあと
社長から全体の講評をいただき
最後に今回の活動についての
反省点と対策をディスカッションし
それぞれ発表いただくことで
次のサイクルの活動へとつなぎました

 

工場の3S活動(5S活動)で得られたメリット

これらのサイクルを回すことで
何度も何度も自らの意見をまとめる
作業をディスカッションで行います

そのことにより自らの発想や考えで
この活動が行われていることの自覚が
芽生えてきます

つまり職場の問題は自らが解決する
それが褒められることで、良いことで
みんなのために必要なことなんだと
理解することができるのです

 

そして研修日程が決まっていて
いつまでに資料の準備が必要か
そのためにいつまでに実行が必要か
繰り返し5W1Hでまとめることで
納期意識を鍛えると同時にみんなで
実行イメージを組み上げるクセが
ついてきます

 

さらに改善意欲を自分で見つけた上で
スキル・ノウハウを提供するため
吸収度合いが高く、しかも宿題報告で
恥をかかないために実行品質も高まり
また、その積み重ねをまとめるだけで
活動実績報告資料ができあがるよう
フォーマットも工夫してあるため
取り組んだメンバーの満足感も高く
なります

そのためサイクルを回す度に
もっとやりたくなる
そんな問題解決を楽しめる職場の空気
これをつくることができるのです!

 

改善事例(工場編)~3S活動(5S活動)のメリットを知る~まとめ

3S活動という職場を良くするための
組織的な取り組みをうまく活用すれば
個人のチカラを高めながらも
組織的に改善を図る仕組みづくりが
進むはずです

これは必ず強い会社を構築するために
必要な機能ですよね

ぜひこのサイトで学習しながら
皆さまの職場でも少しずつでも
取り組んでいただければと思います

 

 

それでは今日はここまで
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては企業発展のために
すべてはみんなの笑顔と元気のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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